変動金利が上がったら返済額はいくら増えるか
結論からいうと、変動金利が0.25%上がると、残高3,000万円・残り30年の場合、毎月返済額は約3,452円増えます。ただし、増えるのはすぐではありません。金利の見直しは多くの銀行で年2回で、新しい金利が返済に反映されるのはその2〜3か月後です。さらに5年ルールがある契約では、毎月返済額は次の見直しまで変わらず、内訳の利息が増えます。
2026年10月に何が起きたか
日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で金融市場調節方針を変更し、政策金利を1.25%程度へ引き上げました。これを受けて、多くの銀行が10月1日から変動金利の基準金利を引き上げています。たとえばPayPay銀行は、基準金利を年3.28%から年3.53%へ、0.25%引き上げました。
基準金利は適用金利を決める元になる金利です。借りている人の適用金利は、基準金利から契約時の引下幅を引いて決まります。全期間で同じ幅を引き下げる契約なら、基準金利が0.25%上がれば、適用金利も0.25%上がります。当初だけ引下幅が大きい契約では、その期間が終わったときにも金利が上がります。
返済額が増えるのはいつか
変動金利の見直しは、4月1日と10月1日を基準日とする年2回の銀行が多くあります。PayPay銀行の場合、10月1日が基準日の新しい金利は、12月の約定返済日の翌日から適用されます。つまり、10月の引き上げで返済額が変わるのは、2027年1月の返済からです。
| 基準日 | 新しい金利の適用 | 返済額への反映(5年ルールなし) |
|---|---|---|
| 4月1日 | 6月の返済日の翌日から | 7月の返済から |
| 10月1日 | 12月の返済日の翌日から | 翌年1月の返済から |
見直しの時期と反映の仕方は銀行や商品によって違います。毎月見直す商品もあります。自分の契約は、銀行からの通知か、ネットバンキングの返済予定表で確認してください。
残高別の増え方
適用金利0.9%から1.15%へ0.25%上がった場合と、次の見直しでもう0.25%上がり1.4%になった場合を、残り期間30年・元利均等返済で試算します。5年ルールがない契約で、金利の変更時に返済額を計算し直す前提です。
| 残高 | 今の毎月返済(0.9%) | 1.15%になったら | 1.4%になったら |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 63,413円 | 65,715円(+2,302円) | 68,068円(+4,655円) |
| 3,000万円 | 95,120円 | 98,572円(+3,452円) | 102,102円(+6,982円) |
| 4,000万円 | 126,826円 | 131,430円(+4,604円) | 136,136円(+9,310円) |
0.25%の上昇は、残高1,000万円あたり毎月約1,151円の増加が目安です。残り期間が長いほど、また残高が大きいほど増え方は大きくなります。
5年ルールがある契約の場合
5年ルールがある契約では、金利が上がっても毎月返済額は次の返済額見直し(5年ごと)まで変わりません。そのかわり、返済額のうち利息に充てる部分が増え、元金の減り方が遅くなります。見直しのときも、新しい返済額はそれまでの125%までに抑えられます(125%ルール)。
返済額が変わらないので、上がったことに気づきにくいのが注意点です。残高3,000万円で金利が0.25%上がると、最初の月の利息は約6,250円増えます。その分だけ元金の返済が減っていると考えてください。仕組みは5年ルールと125%ルールとはで詳しく解説しています。
自分の返済額を計算するには
金利上昇シミュレーションに、今の残高・残り期間・適用金利を入れて、上昇幅を0.25%、0.5%、1%と変えて試してください。5年ルールありとなしを切り替えると、返済額の変わり方と未払利息の有無を比べられます。
残高と適用金利は、銀行から届く返済予定表か、ネットバンキングのローン明細で確認できます。今後の金利上昇が心配なら、変動金利と固定金利はどっちが得かと借り換えの目安もあわせて確認すると、固定金利への借り換えや繰上げ返済と比べる材料になります。
返済額が増える前にできること
新しい金利が返済に反映されるまでの2〜3か月は、家計を見直す猶予期間です。まず、増える金額を毎月の予算に入れます。上の表のとおり、残高3,000万円なら0.25%の上昇で毎月約3,452円、年間では約41,424円の増加です。
手元資金に余裕があれば、繰上げ返済で残高を減らす方法があります。期間短縮型は総利息を減らす効果が大きく、返済額軽減型は毎月の増加を打ち消す効果があります。どちらが合うかは繰上げ返済の比較で確認できます。ただし、教育費や修繕費の予備まで返済に回すと、急な出費に対応できなくなります。
固定金利への借り換えは、金利の上昇を止められる一方、今の変動金利より高い固定金利になるのが普通です。諸費用もかかるので、残高と残り期間が大きいほど検討する価値があります。
次の見直しに向けて確認すること
- 自分の契約の金利見直しが年2回か毎月か
- 5年ルールと125%ルールがあるか
- 今の適用金利と、基準金利からの引下幅
- 新しい金利が適用される月と、返済額が変わる月
次の日銀の金融政策決定会合で政策金利が上がれば、翌年4月の見直しで再び基準金利が動く可能性があります。この記事の試算は金利を予想するものではありません。上昇幅を入れたときに返済額がどう変わるかを確認する計算です。
出典
制度と計算条件は更新日時点で確認しています。