家を売ったときの税金と手取り

更新日: 2026.10.18・SumaiTools 運営事務局

家を売ったときの手取り 計算を開く

結論からいうと、家を売ったときの手取りは売却価格そのものではありません。仲介手数料などの譲渡費用、ローン残高、譲渡所得にかかる税金を差し引きます。税金は売却価格ではなく、売却価格から取得費と譲渡費用、使える特別控除を引いた課税譲渡所得を基に計算します。

手取りの計算順序

最初に建物価格から非事業用建物の減価償却費相当額を引き、土地価格を加えて取得費を求めます。実際の取得費が売却価格の5%より小さい場合は、概算取得費として売却価格の5%を使います。

次に仲介手数料、売買契約書の印紙税、入力したその他の譲渡費用を合計します。売却価格から取得費と譲渡費用を引いた利益が譲渡所得です。居住用の要件を満たす場合は、ここから最高3,000万円の特別控除を差し引く計算です。

最後に課税譲渡所得から税額を計算し、売却価格から譲渡費用、税金、ローン残高を引きます。取得費は税金を計算するための数字であり、手取り計算でもう一度現金支出として差し引くものではありません。

長期と短期の境目

長期譲渡所得になるかは、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかで判定します。購入日から売却日までの単純な経過年数だけではありません。

たとえば2020年中に取得した家は、2026年の1月1日時点で5年を超えるため、同年中の売却を長期として判定します。2025年中の売却なら短期です。ツールは購入年月と売却年月の年から、この境目を判定します。

区分所得税等と住民税の合計率
短期39.63%
長期20.315%
居住用で所有期間がさらに長い場合の軽減部分14.21%

税額は100円未満を切り捨てる簡略計算です。実際の申告では所得税と復興特別所得税の計算順序などを申告書に沿って確認してください。

所有期間が10年を超える居住用の軽減

売った年の1月1日時点で所有期間が10年を超える居住用財産では、要件を満たすと軽減税率を使える場合があります。課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下の部分は合計14.21%、超える部分は合計20.315%として計算します。

この軽減は、単に購入から売却までの月数が長いだけで自動的に確定するものではありません。居住用であることや他の要件を国税庁の案内で確認し、確定申告を行います。

売却の計算例

売却価格5,000万円、購入価格3,500万円、うち建物1,400万円、木造、2014年4月購入、2026年10月売却、ローン残高1,500万円、居住用、その他の譲渡費用0円で試算します。

項目計算結果
減価償却費相当額5,077,800円
取得費29,922,200円
譲渡費用1,726,000円
特別控除前の譲渡所得18,351,800円
課税譲渡所得0円
税金0円
売却後の手取り33,274,000円

減価償却費相当額は建物価格、構造別の償却率、経過年数から求め、建物価格の95%を上限にします。経過年数は6か月以上の端数を切り上げ、未満を切り捨てます。土地は減価償却しません。

3000万円控除と住宅ローン控除

居住用財産の3,000万円特別控除には要件があります。また、買い替え先の住宅に入居した年とその前2年・後3年の計6年間に、3,000万円控除や10年超の軽減税率などマイホームを売ったときの特例を受けると、買い替え先で住宅ローン控除を受けられません(国税庁 No.1211-1 の適用要件)。売却側の税金だけをゼロにする比較では不十分です。

売却の特例を使った場合と使わない場合で、売却時の税額と買い替え先の住宅ローン控除を同じ期間で比較します。併用可否や適用年の関係は個別条件で変わるため、売却と購入の契約前に税務署や税理士へ確認してください。

入力前にそろえる資料

  • 売買契約書で購入価格と建物価格を確認します。
  • 購入時と売却時の仲介手数料などの資料を確認します。
  • 建物の構造と購入年月を登記事項証明書などで確認します。
  • 金融機関の残高証明や返済予定表でローン残高を確認します。
  • 居住用の特例と軽減税率の要件を一次資料で確認します。

取得費の資料がない場合に概算取得費を使うと、実際の取得費より小さくなり、課税譲渡所得が大きくなる場合があります。購入時の契約書、領収書、登記費用などの資料を探してから計算します。

手取りを資金計画へ使う注意点

引渡しまでに必要な費用、ローンの完済手続、抵当権抹消費用など、その他の譲渡費用へ入れるべき支出を確認します。ツールの手取りは入力した項目だけを反映するため、見積書にある費用を追加してください。

譲渡所得がない場合でも確定申告や特例の手続が必要になることがあります。計算結果だけで申告不要と判断せず、国税庁の案内と税務署への確認を優先してください。

取得費に含める資料を探す

取得費の確認では購入時の売買契約書だけでなく、取得に直接必要だった費用の資料も整理します。どの費用を取得費へ含められるかは内容で異なるため、領収書の名称だけで決めず、国税庁の案内や税務署へ確認します。建物価格が契約書で分かる場合は、その金額を使って減価償却費相当額を計算します。

建物価格が分からないときに購入価格へ一定割合を掛ける入力は目安です。申告でその割合がそのまま認められることを示すものではありません。土地と建物の内訳が記載された契約書、消費税額、固定資産税評価額など、確認できる資料を先に探してください。

売却時期を比べるとき

長期と短期の境目付近では、引渡し時期だけで税率区分が変わる可能性があります。ただし税率だけで売却時期を決めると、市場価格、ローン利息、維持費、買い替え費用を見落とします。同じ売却価格を置いた税額差は比較材料の一つです。

居住用の特別控除で課税譲渡所得がゼロになる試算でも、買い替え先の住宅ローン控除との関係を確認します。売却と購入の年、入居時期、特例の選択によって判断が変わり得るため、二つの契約を別々に考えないことが大切です。

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出典

制度と計算条件は更新日時点で確認しています。

この記事は一般的な解説です。個別の契約、融資、税務は金融機関、税務署、自治体、専門家へご確認ください。