5年ルールと125%ルールとは
結論からいうと、5年ルールと125%ルールは金利上昇直後の毎月返済額を抑える仕組みですが、利息そのものを減らす仕組みではありません。返済額の見直しを遅らせる間も利息は新しい金利で計算されます。上昇が大きいと元金が減りにくくなり、返済額より利息が多ければ未払利息が発生します。
5年ルールの意味
5年ルールがある元利均等返済では、適用金利が変わっても毎月返済額をすぐには変えず、返済額の見直しを5年ごとに行います。金利が上がった後は返済額の内訳が変わり、利息の割合が増え、元金の割合が減ります。
SumaiToolsは月ごとに利息を計算し、返済額から利息を引いた残りを元金へ充てます。金利は年単位で変える簡略計算です。実際の金融機関では適用金利の見直し時期や返済額への反映方法が異なるため、契約の商品説明書を確認してください。
125%ルールの意味
返済額を見直すとき、新しい返済額をそれまでの125%までに抑えるのが125%ルールです。たとえば直前の毎月返済額が111,059円なら、見直し時の上限は計算上138,823円です。
この上限は毎月の支出が急増するのを和らげます。しかし、本来必要な返済額との差が消えるわけではありません。元金の減りが遅れれば、その残高を基に次の利息が計算されます。最終回まで元金や未払利息が残れば、一括返済が必要になる可能性があります。
急上昇シナリオで未払利息を確認
借入4,000万円、当初金利0.9%、期間35年、3年後に金利が3%上がり3.9%になる条件を、ルールありで試算します。上昇幅が2%程度なら利息は返済額の内側に収まり未払利息は出ませんが、この条件では利息が返済額を上回る期間が生じます。
| 確認項目 | 試算値 |
|---|---|
| 上昇前の毎月返済 | 111,059円 |
| 最大の毎月返済 | 194,464円 |
| 最大未払利息 | 223,944円 |
| 総返済額 | 72,076,074円 |
| 上昇なしとの差 | 25,431,193円 |
| 最終回の一括返済 | 0円 |
未払利息が発生する条件は、その月の返済額がその月の利息より小さいことです。ツールは不足分を未払利息へ積み、未払利息そのものには利息を付けない前提です。返済額が利息以上に戻った月は、先に未払利息へ充当し、残りを元金へ充てます。
ルールがない銀行との違い
ルールなしの計算では、金利変更時に残高と残り期間から毎月返済額を計算し直します。返済額は早く上がりやすい一方、必要な返済額へ近づくため、元金の減少を先送りしにくい仕組みです。
| 比較点 | ルールあり | ルールなし |
|---|---|---|
| 返済額の見直し | 一定期間ごと | 金利変更時 |
| 上昇幅の制限 | 前回返済額の一定割合まで | 商品条件による |
| 直後の家計負担 | 抑えられやすい | 増えやすい |
| 元金減少の遅れ | 起こりやすい | 比較的小さい |
| 未払利息 | 条件により発生 | 再計算により避けやすい |
ルールがある方が必ず有利、またはない方が必ず安全とはいえません。ルールありでは急な支出増加を抑えられます。ルールなしでは返済額が早く上がる代わりに、残高と残り期間に対応した金額を返しやすくなります。
契約前後に確認すること
- 金利の見直し頻度と適用時期を確認します。
- 返済額を見直す周期を確認します。
- 返済額上昇の上限があるか確認します。
- 未払利息と最終回の残額の扱いを確認します。
- ルールが元金均等返済にも適用されるか確認します。
シミュレーションは金利の予想ではありません。特定の上昇幅を入力したときに返済がどう動くかを確認する条件計算です。上昇幅を複数試し、毎月返済額だけでなく、年末残高、未払利息、総返済額、最終回の一括返済も確認してください。
家計で備える見方
返済額が一定に見える期間でも、利息割合が増えている可能性があります。年ごとの表で適用金利と残高を並べて見ると、表面の返済額だけでは分からない変化を確認できます。ルールを返済負担が増えない保証と受け取らないことが大切です。
固定金利との比較も同じ借入額と期間で行います。変動金利の上昇条件を変え、固定金利との差がどこで縮むかを確認すると、金利上昇にどの程度耐えられるかを考える材料になります。
年ごとの表で確認するポイント
年ごとの表は適用金利、毎月返済額、年末残高、未払利息を横に追います。金利が上がった年に返済額が変わらなくても、年末残高の減り方が前年より鈍くなっていれば、利息割合が増えています。返済額の見直し年には、上限で抑えられた金額と残り期間から本来必要な金額の差が、その後へ持ち越されます。
未払利息がゼロでも影響がないとは限りません。返済額が利息を上回っていれば未払利息は出ませんが、元金充当が少なくなり、上昇なしより残高が多く残ることがあります。総返済額との差と残高の両方を見てください。
シナリオを変える順番
まず上昇なしを基準に保存し、次にゆるやかな上昇、最後に急な上昇を試します。それぞれで最大返済額、発生時期、未払利息、最終回の精算を記録すると違いが分かります。次に同じ条件でルールなしへ切り替え、返済額が早く上がる代わりに残高がどう減るかを比べます。
実際の契約に5年ルールや125%ルールがなければ、ルールありの安心感を前提に資金計画を立てられません。反対にルールがあっても、上限は返済総額の上限ではありません。商品説明書で用語が違う場合も、返済額の変更時期と変更幅を具体的に確認することが重要です。
出典
制度と計算条件は更新日時点で確認しています。