年収からいくら借りられるか
結論からいうと、借入可能額は年収だけでは決まりません。返済負担率で年間返済の上限を作り、審査金利と返済期間から借入元金へ戻して計算します。他の借入があれば、その年間返済額を先に差し引きます。
年収別の借入可能額
返済負担率25%、審査金利3%、返済期間35年、他の借入なしで試算します。実際の返済額の表示には金利0.9%を使います。借入可能額は1万円未満を切り捨てます。
| 年収 | 借入可能額 | 年収倍率 | 実際の金利での毎月返済 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 2,165万円 | 5.41倍 | 60,111円 |
| 500万円 | 2,706万円 | 5.41倍 | 75,131円 |
| 600万円 | 3,248万円 | 5.41倍 | 90,180円 |
| 700万円 | 3,789万円 | 5.41倍 | 105,201円 |
| 800万円 | 4,330万円 | 5.41倍 | 120,222円 |
| 900万円 | 4,872万円 | 5.41倍 | 135,270円 |
| 1,000万円 | 5,413万円 | 5.41倍 | 150,291円 |
返済負担率とは
返済負担率は、年収に対する年間返済額の割合です。年収600万円で返済負担率25%なら、年間返済へ使う計算上の上限は1,500,000円、月あたりは125,000円です。他の自動車ローンやカードローンなどの年間返済があれば、この枠から差し引きます。審査上の上限は金融機関で異なり、たとえばフラット35の総返済負担率の基準は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です。表の25%は、それより余裕を持たせた家計側の目安として置いています。
審査上の上限と、家計が無理なく払える金額は同じではありません。固定資産税、火災保険、修繕費、管理費などは住宅ローン返済以外にも必要です。表は融資の承認を示さず、入力条件に基づく元利均等返済の逆算です。
審査金利の考え方
審査金利は借入可能額を計算するための金利です。実際の適用金利より高い金利を使うと、金利が上がったときにも返済できるかを見る形になります。表では3%を置いていますが、金融機関ごとの審査方法や基準を示すものではありません。
審査金利を高くすると、同じ月間返済枠から逆算できる元金は小さくなります。返済期間を長くすると借入可能額は増えやすい一方、返済が長く続き、総利息が増える可能性があります。数値を一つずつ変えて影響を確認してください。
年収倍率との違い
年収倍率は借入可能額を年収で割った比率です。結果を直感的に比べる補助指標ですが、返済負担率や金利を直接表しません。同じ年収倍率でも、金利、期間、他の借入が違えば毎月返済額は変わります。
- 返済負担率は年間返済と年収の関係です。
- 年収倍率は借入元金と年収の関係です。
- 審査金利は借入元金を逆算する条件です。
- 実際の金利は契約後の返済額を計算する条件です。
年収倍率だけで借りすぎかを判定せず、毎月返済、年間返済、総返済、金利上昇時の返済を見ます。変動金利なら上昇シナリオも確認し、固定金利なら当初からの返済額を家計へ入れます。
借りられる額と返せる額を分ける
借入可能額は入力した上限まで借りることを勧める数字ではありません。生活費や将来支出を引いた後に継続できる毎月額から、逆向きに借入額を調整する使い方が重要です。頭金を増やす場合も、購入後の予備資金を残せるかを確認します。
住宅購入時には諸費用があり、購入後には税金や維持費があります。返済額ツールの年ごとの残高表と、諸費用、固定資産税の試算を合わせると、借入時点だけでなく購入後の現金支出を整理できます。
他の借入がある場合
自動車ローンやカードローンなどの年間返済額は、住宅ローンへ使える年間返済枠から先に差し引きます。同じ年収でも他の返済が多いほど、逆算される借入可能額は小さくなります。残高ではなく年間に返す金額を入力する点に注意してください。
完済予定が近い借入を審査でどう扱うかは金融機関によって異なります。このツールは入力した年間返済額を全期間の枠から差し引く単純な比較です。正式な扱いは申込先へ確認します。
期間を長くする効果と負担
同じ年間返済枠なら、返済期間を長くすると借入可能額は増えます。しかし毎月返済が長く続き、利息を払う期間も延びます。借入可能額が増えたことを、住宅予算を増やしてよい根拠にしないことが大切です。
完済時の年齢と、その時期までの収入見込みを確認します。退職後まで返済が続く設定では、現在の年収を全期間で維持する前提が適切かを別に検討します。期間を短くした試算も作り、毎月額と総利息の差を比較してください。
購入予算へ直す方法
借入可能額に頭金を加えた金額が、そのまま物件価格の上限になるとは限りません。購入時の諸費用を現金で払うなら、その資金を頭金と分けて残します。引越しや家具、購入後の修繕に必要な現金も借入可能額の計算には含まれません。
まず無理なく払える毎月額を決め、次に審査条件の借入可能額を確認し、最後に諸費用と維持費を加えます。審査上の数字と生活上の予算を二つ並べ、小さい方を基準に物件を探すと過大な借入を避けやすくなります。
同じ物件でも頭金を変えると借入額と手元資金の両方が動きます。頭金を多くして毎月返済を下げる案と、購入後の予備資金を厚く残す案を並べてください。借入可能額の上限まで使わず、金利上昇や維持費の増加を受け止められる余白を残すことが、長期の返済計画では重要です。
出典
制度と計算条件は更新日時点で確認しています。